独ソ戦を題材にしたストラテジーゲーム
いわゆる「ウォーゲーム」と呼ばれるタイプのボードゲームを参考にしているらしい
二次大戦が舞台の戦争ゲームでは主力兵器からマイナーチェンジまで様々な兵器を登場させ、
戦車の傾斜装甲を再現したり兵士の士気の概念を導入するなど様々な細かい要素を入れてリアルさを求めるものが主流だが、
このゲームはそうした複雑な要素を可能な限り排除し、単純さを追及している
このゲームをクリアするために覚えなければならないのは、次の四つだけ
1、ユニットの種類は「歩兵」と「機動部隊」しかない
一見様々なユニットがいてそれぞれ微妙に性能が違うが、この種別だけ覚えればいい
さらに能力値によってそれぞれの兵科は「積極的に攻撃に使える強い部隊」「自分から攻めると反撃で大打撃を受けるが、防御には十分使える弱い部隊」に分けられる
「強い歩兵」「弱い歩兵」「強い機動部隊」「弱い機動部隊」それぞれの特徴を生かして戦線に投入する必要がある
2、戦闘は常に防御側が有利となる
防御側は地形や天候の恩恵を受けるのだが、細かい計算は気にせず「移動して敵に攻撃を仕掛ける側は常に不利」とだけ覚えればいい
3、敵の真横は素通りできず、足止めされる
いわゆるZOC制を導入している
機動力のあるユニットでも、敵の真横を通ろうとすると足止めされて
即座に後ろに回り込むことはできない
ただし足止めされた部隊の後続はその一歩先だけなら進軍できる
敵陣の隙間に次々と部隊を投入すれば敵の後ろに回り込める
4、両軍とも補給線を持ち、補給の届く範囲でしか戦えない
補給の届く範囲では、毎ターンユニットは自動回復する
しかし補給可能範囲を離れると次のターンから回復が止まり、さらに次のターンは攻撃不可能になり、次のターンでは移動もできず、そこから先はどんどん体力が減っていき、精鋭部隊も敵の弱兵に一瞬で殲滅されてしまう
なお、このゲームの勝利条件は全マップ共通で、敵の重要な補給拠点をすべて制圧することである
相手の補給線を狭め、逆に自分の補給線を広げることで敵陣深くへの進軍が可能になる
直感的に理解できるこれらのルールだけで、このゲームは多様な戦術を再現している
激しい損害を被る正面からのぶつかりあい、戦車部隊で敵の戦線に穴をあけての大突破、迂回して敵の横や背面を突いての形勢逆転、補給線を脅かして敵を後退させ陣形を崩す、多数の弱兵による包囲殲滅、拠点にこもりわずかな兵力でのしぶとい抵抗……など戦争で起こる様々な戦術要素を実現させ、さらにその有効性を「奇襲によるダメージボーナス」「ユニット同士の相性」などといったいかにもコンピュータゲーム的なごまかしではなく論理的に説明している
さらに敵のAIは何も考えず攻撃する突撃バカではなく、自分の損害を抑えながらこちらの弱点を突いてくる
うっかり隙を見せると戦線を突破されてこちらの補給線をずたずたにされ、包囲殲滅や退却の結果1、2ターンで敗北確定になってしまう
一方で賢いあまり補給の維持には非常に敏感なので、補給線をついての攪乱が有効で、これが決まると天才戦術家になったかのような快感を味わえる
一回のゲームは非常に短く、長くても十数ターンで終わるのでさっくり楽しめる
戦争ゲームは重厚長大で気軽にできなさそう、というイメージを持っている人におすすめ