◆Truth of Beauty Witch -Marine's treasure ship-の内容◆
A miraculous collaboration between Houshou Marine and "Tsugunohi" has come to fruition! When the main character becomes a crew member of a pirate ship led by Houshou Marine and realizes a certain fact, you are struck by a series of horrors. Can you unravel the secret behind Houshou Marine's beauty?
Truth of Beauty Witch -Marine's treasure ship-
2023年8月11日 発売
Vaka Game Magazine
Truth of Beauty Witch -Marine's treasure ship-の評判
良い評判
本作のジャンルはホラーであるにもかかわらず、泣きゲーとも称される。その理由の一つには、登場人物が醸し出す悲哀があるだろう。本作のストーリーは至ってシンプルだ。PV以上のものはないと言ってよい。宝鐘マリンさんが普段から自身の年齢と結婚をネタにしがちであることからすれば、良くも悪くも、その色をふんだんに入れ込んだ作品と言えるだろう。コラボ作品として上手く練られた設定であるようにも思われ、ファンアイテムとして遊ぶのは良い選択だ。
一方で、冒頭で述べたとおり、本作は泣きゲーでもある。私と言えば、後半に向かうに連れて、面白いより痛ましいが勝ってしまった(もとより怖くはない)。その意味で、本作はプレイヤーの感情をしっかり揺さぶる仕上がりになっているとも言える。どういうところで泣いてしまうのかを少し考えてみよう。
現実の宝鐘マリンさんはYoutubeチャンネル登録者数約260万人を擁する大人気VTuberである。しかし、私の暮らすこの世界であっても、誰もがその存在を知っているわけではない。VTuber自体が世間に浸透しつつあるとはいえ、まだまだ一般層まで認知が及んでいるとまでは言えないだろう。一方、見方を変えれば、少なくとも約260万人は船長の存在を認識しており、程度に差はあれど、本人の持つ魅力や純粋な「すごさ」みたいなものを理解しているとも言える。
この点、本作の主人公はその260万人に含まれるだろうか。[spoiler] 彼は高校生(遵法精神にあふれる船長のことなのでおそらく成人しているだろう(でなければ婚姻できないので))らしいと明らかになるが、宝鐘マリンを(有名人ではなく彼女自身が言うままに)宝鐘海賊団船長としか認識していないように思われる。例えば「あの宝鐘マリン!?」みたいな反応もない。そうすると、主人公は、かわいい外見であること以外に、マリン船長へのポジティブな感情を持ち合わせていない。主人公からすれば、マリン船長は「見た目がかわいい人」であり、それ以上でも以下でもない。
そもそも、この世界における宝鐘マリンはVTuberだったのだろうか。もろもろの小ネタを始めとして、本作はプレイヤーがVTuberである宝鐘マリンさん自身と彼女の配信内容を知っている前提で作られている。しかし、作中に彼女がVTuberだと示唆するものはない。船長が命の危機を迎えて見た走馬灯にも、彼女がインターネット上で大活躍している姿は映し出されない。
ではVTuberでないにしても、後世に名を轟かすような大海賊であった可能性はどうだろうか。これも同じ理由で否定される。結局のところ、配信者のファンとしての一味も、海賊団の一員としての一味も姿を見せない。何らかの人徳があればきっといるだろうマリン船長を慕う存在が、どのような形でも現れないのである。
そうすると、本作における宝鐘マリン船長の人物像は以下のように思われてくる。VTuberとして一世を風靡するなどはもってのほか、人生の中で特に何かを成し遂げたわけでもなく、「時間を止める(遡行する)」といったとてつもなく強力な能力(≒才能)を得ながらも、それを活かすこともなく、ただただ人生を浪費し、そうしているうちに若さを失い、自分を慕ってくれる他者はおらず、結婚に執着する可哀想な人。数多くあった選択肢は一つも残らず、今あるのは老いた自分のみ。持って生まれた美貌に頼り、内面を磨くことをせず、何らの経験を積み重ねてこなかったがゆえに、年齢の割に言動は幼く、人としての魅力に乏しい。誤解なきように念のため付言すると、あくまでも作中における人物像ということである。
書き出してみれば、もはや宝鐘マリンであるかどうかなど関係がない。そこあるのは、言ってしまえばありふれた人間像であり、そうであるからこそ私のような一般プレイヤーの心を抉ってくる。今このゲームをプレイしている私も、いつかこうなってしまうのではないか。このままいたずらに歳を重ねていき、気づいたときにはもう遅く、ただただ後悔の念にかられながら、しかし様々に物事を諦めきれず、執着し、不格好にあがく。それもまた人生だろうが、悲しくないと言えば嘘になる。
私は作中のマリン船長を通して、未来の自分の姿を、未来の自分がなりうる姿を見てしまう。こうはなりたくないと思う一方で、こうなってしまうのではないかと考える。併せて、そうなってしまった船長の、もはや取り返しのつかない姿を見て、寂しさにも似た悲しみを覚えるのである。[/spoiler]
だからこのゲームは泣きゲーなのだ。本作を通じて、マリン船長は人生で何が大切なのかを教えてくれる。プレイすれば、きっと今を大切に生きようと思えるだろう。
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