◆Everybody's Gone to the Raptureの内容◆
Featuring a beautiful, detailed open-world and a haunting soundtrack, Everybody’s Gone to the Rapture is non-linear storytelling at its best.
Everybody's Gone to the Rapture
2016年4月14日 発売
PlayStation PC LLC
Everybody's Gone to the Raptureの評判
良い評判
ゲーム紹介文から誤解する人が多そうですが、
これは箱庭内を探索して、人々が村から消失した謎を解くというような、
エンタテインメント性のあるアドベンチャーゲームではありません。
もちろん、この謎というのもゲームの魅力を構成するひとつの要素ではありますが、
作品の楽しみ方としては、村に残された様々な残滓から人々の関係性や
終末の雰囲気を読み取り、美麗な映像や荘厳な音楽に包まれながら
世界に浸るといったところにあります。
もしひとたび「世界」に没頭することができたのなら
一度に最後まで進めてしまうことをお勧めします。
通しでプレイすれば4,5時間程かかりますが、
中断して余韻を失ってしまうのは勿体無いですので。
悪い評判
とにかく歩くのが遅いゲームで、それが他の良かった部分を相殺してしまっていました。
本作で出来ることは、歩くこと、扉を開けること、ラジオや電話、謎の光球から音声や映像ログを見聞きすることだけで、ゲーム性のようなものは皆無ですが、映像や音は非常に優れていて没入感の高い芸術作品のようなゲームでした。
音声、テキスト共に日本語化されている作品で、自分は英語音声に日本語字幕でプレイしたのですが、少なくとも字幕は完璧で、不自然な点は全くありませんでした。
舞台となる1980年台のイギリスの田舎町は、ついさっきまで人が住んでいた痕跡があるのに誰もおらず、それなのに電話が鳴ったり、ラジオから雑音が流れていたりと、文章だけを読むとホラーゲームにも感じてしまいそうですが、実際にはそんな雰囲気は皆無で、自然豊かで牧歌的な田舎町を歩いていると、生まれてもいない時代なのにノスタルジーを感じる魅力的な町でした。
そんな誰もいない町で、ラジオや電話、あるいは謎の光球から消失した人々のやり取りを見聞きして、何故人々が消失したのかを調査するのが目的(多分)のゲームです。
見聞きできるログは時系列もバラバラで、光球から見ることが出来るシーンも人々は朧気な光の輪郭としてでしか登場しない上に、かなりの人数が登場するので、人物を覚えるのは大変で、しっかりと把握するには相関図を自分で作成する必要があると思いました。
しかし、本筋に関わる人は5~6人くらいで、残りは町の普段の人間関係や、終末に際した人間の言動が主なので、謎を追うだけならそこまでする必要はありませんでした。
HPや所持品を表示する必要の無いシンプルなゲームなので、プレイ中にはメタ情報は一切表示されません。
それも作品の没入感を増す一つの要素で素晴らしかったのですが、町の各所には現在地表示つきの、観光地でよく見るような地図はあるのですが、プレイヤー自身は地図も磁石も持っていないので、道に迷うと大変でした。
その代わり、謎の光球が次の重要なログのある場所に誘導してくれたり、ラジオや電話の音も重要なナビゲーションシステムとして働くので、ゲーム用に都合よく縮小されていないように感じられるくらい広い町を歩きまわる割には、迷うことは少なかったです。
ストーリーが全てのゲームなので、ストーリーに関してはネタバレ無しには書けることが少ないのですが、終末の謎を解き明かしましょうとかゲーム説明には書かれている割には、しっかりとした答えがあるわけではなく、各プレイヤーの解釈による部分の多いストーリーでした。
また、キリスト教的な寓意(?)も非常に多く、そもそもタイトルの「the Rapture」も終末論の一つみたいで、そういった宗教的な知識を持った状態でプレイすると、謎や本筋以外の人間ドラマについてより楽しめたのかもしれませんが、そういった知識が無い自分には腑に落ちない部分も多かったです。
キリスト教の知識が問われるとはいえ、雰囲気ゲーとしては至高の出来と言っても過言ではない本作をおすすめしないにした理由ですが、最初にも書いた通り、尋常ではない歩行速度の遅さがそれらの要素をぶち壊してしまっているからです。
一人称視点のゲームなのですが、一般的なFPSと比べると遅く感じるとかいうレベルではなく、まるで操作キャラクターは杖をついたお年寄りレベルの移動速度でした。
shiftキーを押すと「走る」と書いてあるのですが、ウィキペディアによると走るというのは「両足が同時に地面から離れる瞬間がある移動方法を走る、常にどちらかの足が地面についている移動方法を歩くという」ということらしいですが、本作のは到底走るとは言えない速度で、膝に矢を受けた衛兵の歩行速度レベルでした。
プレイ時間は4~5時間ほどでしたが、仮にもっと速ければ二時間くらいで終わったと思います。
上述の光球や音によって導かれる、クリアする上で必須のイベント以外にも、いくつものログが散りばめられているのですが、移動が遅い本作では横道にそれて色々調べるのが非常に億劫で、何となく「あっちに行けば何かありそうだな」と感じても、もし行き止まりだったら面倒だし、重要なログは誘導してくれるから無視しようという、お年寄りが出不精になる精神状態を擬似的に体験出来ました。
また、誘導してくれる光球を横道にそれている間に見失うことも多く、そうなってしまうと悲惨の一言で、ちゃんとした地図も無い状態で土地勘のない広大な町をさまよい歩いていると、プレイするのを投げたくなりました。
そのため、道に迷う恐怖や遅さのために丁寧に作られた広大な町を隅々まで堪能することが出来ないのは非常に勿体無いと感じました。
実は本作のプレイヤーキャラクターも謎に満ちており、何故町にいるのかも不明だし、手や足などの体の末端すら映らない上に、影もなく一言も発さないという正体不明っぷりだったので、実はプレイヤーキャラクターも消失しかけているとか、人間じゃないとか、足が遅い理由を色々想像していたのですが、少なくとも足の遅さは何らかの伏線ではなく、純粋に足が遅いだけでした。
作りこまれたフィールドや不思議なストーリーと雰囲気ゲーとしては素晴らしいかったのですが、異常なまでの足の遅さが全てにおいて足を引っ張っていて、あちこちを探索するのも億劫だったし、そのため未発見のログも多くてストーリーも全てを堪能出来ませんでした。
PS4版の時点でのユーザーフィードバックから、足の遅さはメーカー側も認識していて速度アップのパッチを作るかもと言っていたようなのですが、PC版の発売された現在でもそういったパッチは出ていないようなので、今後も望み薄だとは思いますが、PC版はユーザーがデータを変更するのが容易なので、今後有志によるパッチや速度アップの方法が発見されるかもしれないので、興味あるけど足が遅いのはちょっと・・・という人はもう少し待ってみるといいかもしれません。
足の遅さを除けば芸術的な素晴らしいゲームで、おすすめ出来る作品だったので、普段からお年寄りのお世話をしてるから足の遅さなんて気にならないぜ!というような聖人君子な人にはおすすめ出来る作品でした。
Everybody's Gone to the Raptureの攻略サイト