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Telling Lies

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35
Telling Liesのゲーム画面・キャラクター画像
◆Telling Liesの内容◆
Four private lives. One big lie. Search through secretly recorded video conversations to discover the truth. The successor to the acclaimed Her Story.
Telling Lies
2019年8月23日 発売
Annapurna Interactive
Telling Liesの評判
良い評判
Sam Barlow氏が現時点(2023年)までに制作した3作品の中で本作のみ評価が低めなのだが個人的にそれが納得できない。
もちろん好みは人それぞれなので低評価のレビューを否定するつもりはない。主に欠点として挙げられる出来の悪いUIや作劇の都合上動画が冗長になっているという指摘については全くもってそのとおりだと思う。
ただ最終的には事件のほぼ全てが語られる明快さは良いと思う。明快ではあるが単純ではなくプレイ中は想像力を刺激され続ける。他の2作の霧の向こうに真実が見えるような構成も美しいが本作のストレートな物語は胸を打つものがあると思っている。

Sam Barlow作品全てが苦手だという人がいるのは理解できるが本作だけが半ば駄作のような扱いを受けているのは……冒頭では納得できないと言ったがどちらかというと俺にはその理由がわからないと言った方が正確かもしれない。ストーリーに関してはこれが最も万人受けするのではないかとすら思っている。
Her StoryやImmortalityを楽しくプレイしたがTelling Liesは評価が低いのでスルーしているという方は試しに遊んでみてほしい。そしてレビューを書いてもらえると俺がうれしい。それがポジティブなものであれネガティブなものであれ読んでみたいので。
悪い評判
[h1]前作はコナンくん、今作は眠りの小五郎 [/h1]
この作品は、物語の導入部となる目的や背景という設定が
あえて伏せられています。
物語は、複数の映像が収録された記憶媒体にアクセスする
ひとりの女性から始まります。この映像群には数名の男女の
何気ない日常風景や通話内容が収録されています。
映像に登場する人物はいったい何者なのか。
そして、なぜ彼女は映像を閲覧しているのか。
多くの謎に満ち溢れた物語を、断片的な映像から解き明かす
フルモーションビデオ・アドベンチャーゲーム。

本作は「Her story」の後継的な作品となっています。
物語の直接的な繋がりはありませんが、システムは似ています。
記憶媒体に保存された映像は断片化されており、小分けされた状態
となっています。映像を視聴するためには、その映像に含まれる
単語を検索する必要があります。

例えば、映像内でのとある男性の発言に着目し、
「アルバは元気かい?ハニー」という発言から”アルバ”という単語
検索することによって新たな映像にたどり着くことができます。
新たな映像にはアルバという少女と、成人女性の2人が父親の帰り
を待っている映像が映っていました。ここから3人は家族のような
関係であると推測ができます。しかし、検索する単語によっては
この男性が別の女性と親密な関係を築いている場面や、ハニーと
呼ばれていた女性が、顔中血だらけの男性を介抱する場面に遭遇
することになります。物語の時系列が把握しにくい構成となって
いるため、映像と映像の間に起きた事件を探す必要があります。
時系列がバラバラの映像を見る順番は、プレイヤーに委ねられて
いるため、物語の解釈は進め方によって大きく異なります。
言葉と言葉を繋ぎ合わせて、完成図のわからない
ジグソーパズルのピースを埋めていくような作品です。

以下、前作「Her story」との比較です

[h1] 良いところ [/h1]
[u]・映像を探すための単語検索が簡単になりました[/u]
前作では気になる単語をキーボードから直接入力する必要がありま
したが、今作では映像の字幕をドラッグすることでも検索できます。
[u] ・映像を早送りで視聴できるようになりました[/u]
マウスを画面端にドラッグすることで最大3倍速での視聴可能です。
手が疲れるのと、映像を楽しむ作品なので飛ばさないでください。
[u] ・登場人物とロケーションが大幅に増えました [/u]
タイトル通りです
しかし、ここに力と予算を注ぎ込むべきではなかったと思います。

[h1] 悪いところ [/h1]
[u] ・冗長な映像内容[/u]
1つの映像の長さは、前作では10秒~1分程度でしたが、
今作では1分~9分の長さとなっており、平均5分くらいの映像群
で構成されています。
前作は短い映像にも謎を解くための手がかりが多分に含まれており、
謎が謎を呼ぶような展開も相まって、見ていて飽きることがなく、
続きが気になってしまい、目が離せなくなる内容でした。
しかし、本作の映像は重要な要素が含まれていないのにも拘らず
無駄に尺が長い映像で占められています。

事件の概要や、手がかりとなる内容を含む映像は限定されています。
多くの映像は人物像を理解する上で必要かもしれませんが、事件を
紐解く上では必要のない他愛もない内容のように初見時は感じます。
物語の結末を知った上で映像を見返すと新しい発見もありますが、
ゲーム開始直後は、作品の目的や背景が伏せられているため、
ある程度、事件の手がかりとなる映像にたどり着けないとゲームを
プレイする動機づけがなくなり、次第に興味や関心が薄れていきま
す。映像を見る作業のように感じた時点で多くのプレイヤーは映像
の早送りに手を出すと思いますが、これによって映像を楽しむとい
う醍醐味を失うことになります。

前作とは中身や方向性が異なる作品だと考えてください。

[h1] 総括 [/h1]
前作の映像は短いものの、中身がすごく濃い内容であり
シンプルな舞台設定ながらも、謎が謎を呼ぶような展開が相まって
目が離せなくなるような、とても惹き込まれる作品でした。
しかし、今作では物語が煩雑化し、ミステリーな要素が欠けた結果、
“解くゲーム” から “観るゲーム” になってしまいました。

前作に登場した彼女は、些細な仕草、そして態度や表情の変化など
見ていて新しい発見が常にあり、それは同時に事件を紐解く大きな
手がかりとなっていました。彼女を演じた女優さんの演技も素晴ら
しく、多くのプレイヤーが翻弄されたと思います。短い映像に込め
られた謎を発見するという要素に、夢中になって遊んでいました。

しかし、前作のような展開を期待していた側としては、今作の内容
はいまひとつでした。それはおそらく、前作に存在した謎を発見す
るという要素が失われた状態で、映像を眺める時間が伸びたことに
より、物語を推理しながらゲームを遊ぶという楽しさが損なわれた
こと。そして、作中の映像を見ることに目的を見出だせずに、
映像を追い求めることが苦痛でしかなかったことが原因です。
ゲームなのか、映像作品なのか。その境目が曖昧になってしまった
ことで中途半端なバランスの作品となってしまいました。

この作品のレビュワーのプレイ時間を確認すると、10時間以上
遊んでいる方は概ね好評。そして、それに満たない方は低評価が
目立つ傾向にあります。10時間以上プレイした方は映像を飛ばさ
なかった人である可能性が高いです。
ゲームとして楽しむなのか。映像作品として楽しむのか。
ここで好き嫌いが明確に分かれると思います。
腰を据えて、長い時間をかけて映像と物語の過程を楽しめる方は
満足できる作品ではないでしょうか。せっかちな人ほど飽きて
しまう傾向があると思います。私もそのひとりです。
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