この作品は社会派VRホラーノベルです。舞台は夕方の教室の机に固定されており、全体的に派手な演出は無く、ひたすらテキストを読み進める絵面が中心です。
演出の頻度は少ないですが、それでもギョッとするドッキリ系の演出が2つほどありました。
足音や笑い声等の効果音の演出もわりと臨場感があります。
そのような演出が苦手な方は覚悟の準備をしておいて下さい。
しかし、ホラー要素は作品を彩る程度のものであり、それを過度に期待すると拍子抜けするかもしれません。
作中の登場人物が心にかかえる問題を描いたテキストが物語の多くを占めており、稀に現れる異形の存在は現実感が薄く、その点の怖さはさほどでもないと感じました。
異形の存在を表現する効果音は、やや不快感を伴います。音楽は暗い曲も明るい曲も世界を素敵に表現しています。
弟切草やかまいたちの夜、学校であった怖い話、赤川次郎の夜想曲、マリア 君たちが生まれた理由、あるいは同人作品のひぐらしのなく頃にシリーズや、彼岸花の咲く夜に等のサウンドノベルが好きでVRという技術に興味があるならば軽い気持ちで試してみると意外と楽しめることでしょう。
散見される誤字脱字やストーリーの運び方に少々アラはありますが、レトロチックでジュブナイルな世界観はけっこう気に入ったのでトライコア作品の今後にも期待します。