チェスソフトの定番中の定番「フリッツ」シリーズのvol.14。ロゴは15にしか見えないが、これで「XIV」なのでお間違いなく……。それでもFritzの最新作がSteamで気軽に買えるようになったのはファンにとっては垂涎の僥倖と言えるはずだ。(「Deep Fritz 14」に含まれるマルチプロセッサエンジンはDLCで別売。Fritz15は今秋発売予定らしい)
日本ではChessmasterシリーズの方がちょっとだけ有名だが、分析ツールとしての性能の良さは圧倒的にFritzに軍配が上がる。Steam版もれっきとしたFritzなので、chessbase準拠の膨大なデータベース・アドオン類をそのまま読み込ませることができるし、認証にSteamを必要としないため起動の軽快さも従来シリーズと変わらない。これからちょっと真面目にチェスにハマッてみようと思いついた初級者から既にどっぷり首まで浸かっているマニアまで、あらゆるプレイヤーにおすすめできるソフトである。
難点は、これも旧来そのままの取っ付きの悪さだろうか。UIは12以降一新されたようだが基本的な素っ気なさは相変わらずで、英文のHelpファイルを一通り読みこなすまでは「ただの強い対局ゲーム」というイメージしか持てないかもしれない。だが、これが最高のチェスソフトの一つであることは全世界的に議論の余地なく認められていることなので、どうか安心してほしい。まずはRated Gameあたりから始めて、徐々に遊び方の幅を広げていけば、すぐに無限の可能性を見出すはずだ。
COMが対戦中にぶちぶち呟くchatterモードを除けば対局を盛り上げるゲーム的要素はほとんどなく、正直プレイしていて楽しいソフトではありません。しかしチェスというゲームを究めて楽しむためのオプションが思う存分に詰め込まれているので、チェス(あるいは他の対戦ボードゲーム)が好きな人なら必ず満足するはずと請け合います。50%引きのセールを見かけたら怖れずカートに入れてチェックメイト!、じゃないチェックアウトしちゃいましょう。