[h1]B級バイオレンスバイクアクションの良作(レースもあるよ)[/h1]
某Bundleで入手。
大盛りメニューの料理なんかは、一口目は美味しいと感じるものの、食べているうちに味が単調で飽きてしまうことがある。また、安い市販のカレールーだけで作ったカレーも、美味しいは美味しいんだけど、あとなにか一つ隠し味が欲しくなったりする。本作も、最初の数時間は面白いんだけど、段々と「あ、このゲーム単調だな」と思ってなにか調味料を探したくなるような感じがある。
最初のうちはバイクを飛ばしながら、敵対するチームをボコスカやるのは結構楽しい。殴ったときの感覚も「殴ったな」という手応えあるエフェクトではあるし、バカなノリながらもしっかりとゲームとして作ってある。オフラインのミッションにおいては、レースの他に「ターゲットをやっつけろ」といったもの、また「時間内にゴールしろ」だとか、単純に「生き残れ」といったような、そういう様々なものが用意されている。
出来るだけ飽きさせないようにしてはいるものの、しかしやはり「単調なんだよな」という思いは拭えない。ローグライトを標榜しており、バイクやライダーがアンロックされたり、能力が強化される要素はあるのだが……。
[h1]「殴る・撃つ」を全面に出しすぎる[/h1]
このゲームの元ネタとなった『Road Rash』というゲームがある。いわゆるバイクレースゲームなのだが、その特色というのが「ライバルを蹴ったり殴ったりすることができる」という、レースゲームでありながら卑劣な妨害行為が出来るということで、そのおバカ加減にカルト的な人気を博したシリーズである。
で、この『Road Rash』の精神的後続というわけで『Road Redemption』が生まれるわけなのだが、恐らく開発陣の中で「『Road Rash』でのバイクの殴り合いは熱かったよな」みたいな話がされたに違いない(勝手な妄想だが)。なので、「バイクで滑走しながら、他のバイクを殴る(たまに車も壊す)」というのが中心になったように思うし、プレイしててもそれを感じるのである。
だが、恐らくこの「殴る・撃つ」を中心に添えたのはいいものの、全般的に「殴る・撃つ」をさせるように調整されており、プレイヤーもそれに従う必要が出てきた。
例えばミッションでレースがあったとしよう。プレイした感じとしては、トップのバイクに追いつくためにはニトロでブーストしないと、一向に差が縮まらない。そのニトロはどこで手に入れるかというと、車をスレスレで避けるか、あるいは他のバイクをクラッシュさせるしかない。車が来るまで待つのはしんどいので、他のバイクを蹴落とすという結果になる。
で、一度蹴落とされたライダーというのは、そのミッション中は失格扱いなので、レース中も、順位が表示されているバイクを順番に潰せば一位になる、と理屈上はそう言える。オンリーワンになれればナンバーワンなのである。そうすると、「ターゲットをやっつけろ」というミッションとどう違うのかという話になるだろうし、殴り合いは楽しいけれど、それ一辺倒になってしまっているような感じになるのであって、結果として「テクニックを駆使してスピードで先頭に追いつく」というレーシング的な要素は無くなって飾りのようになってしまう。
その殴り合いが楽しいかというと、これもまた微妙ではあって、殴り合いは体力の削り合いになるというリスキーさがあり、体力がなくなるとゲームオーバーなので、よほど有利な情況じゃない限り避けるか、キックして横滑りさせてなにかに当てるか、それとも後ろから撃つか、ということになりがちで、この辺りも中途半端というか、もどかしさを感じる側面はある(実際に初周回クリアは、後ろから撃つだけの卑怯なプレイを繰り返していた)。
個人的には殴り合いながらも、レースがある程度成立しているQuick Playの数コースは白熱したというか、やりがいを感じたので、もう少し「殴り合い」を無理に推すよりも「レーシング」的な側面を出したほうが良かったんじゃないのかなという気がする。
あともう一つの理由としては、「コースの自動生成」という部分で、自動生成でコースを作るとなると、どうしても人手で作ったときの塩梅というか、ちょっと無茶なギミックというのを入れにくくなって、結果としてノッペリしたコースばっかりできてしまい、リプレイ性が下がってしまうという側面ももしかしたらあるかもしれない。
[h1]総評[/h1]
色々と書いてしまったけれども「バイクに乗って道路をかっ飛ばしながら殴り合う」というのは理屈なく楽しい。だが「見た目はレースしてるものの、本音としては殴り合ってほしい」というズレのためか、前に来たライダーを打ち、横に来たライダーを殴るということの繰り返しだけになる。それを「面白い」と思うか、「くだらない」と思うかで、恐らく評価は変わる。
オンラインが過疎気味なのも、結局は「レースなのか、殴り合いなのか」というのがズレてしまっているがゆえに、例えば俺みたいな殴り合いが嫌いな人間が逃げてそのままゴールするみたいなことが平気で起きるので、その辺りの釈然としなさがあるのだろうとは思うし、逃げ切って勝った俺もあまり釈然としない気持ちになったのは確かだ。だからこそ誰もプレイしていないのだろうと思う。戦略的に殴り合いたければ、格闘ゲームとかあるし……。
恐らく数十時間もやるほどのゲームではないものの、しかし単純にストレス解消だとか、頭を使わずにゲームをしたいというときにはピッタリで、たまに起動するくらいで十分だと思う。たまには素朴なカレーもサクっと食べたいわけで、そういう「素朴さ」というのが、このゲームにはあると思うし、そういう素朴さがあるからこそ、愛されているゲームだという感じはする。セール中なら考慮に入れてもいいのでは、とは思う。